体力が無さすぎる

 体力が無いと気力や知力も低下する。気力と知力が足りないとぼーっとしている間に飛ぶように時間が過ぎ去る。常に頭に靄がかかっているようでうまく物事が考えられない。生活のために必要最低限の活動でさえできなくなる。なんとか明日生活するために必要な最低の準備を終えるころにはもうとっくに真夜中だ。睡眠時間を確保するために布団に入るがなかなか眠れず煩悶を続けることが毎夜。新しいことをやろうなどとは夢のまた夢だ。

 どうすれば体力がつくのか。最低限の活動をするので手一杯な上には運動は無理だ。食事を増やしても腹を下してしまい、余計に体力を消耗する。休もうにも漠とした不安に頭が覆われ続けていて眠れない。

 ヨドバシカメラに行かなくては。ああ、だが嫌だ。返金を受け取るためには店員と話して手続きを経なければならない。たった一人で。いやだいやだ、そんな面倒なことをするくらいなら数万円など受け取らなくてもいい、と本気で思ってしまう。自分の身の上では数万円は途方もない大金であり、それがあれば生活が楽になるのは間違いないのだが、自分はその安楽の前の苦難にしり込みして動けなくなってしまう。自分の生活の改善は、凡そこのパターンですべて失敗してきた。いや、挑んでさえいないのだから失敗ですらない、失敗未満だ。